〔特集〕七隈 nanakuma area ~ 地下鉄七隈線 沿線地域 ~この記事をプリントする
海と山に挟まれた早良平野と糸島半島に拡がる福岡都市圏西エリアは
田園風景の中に人のぬくもりが感じられ、歴史と伝統がほどよくミックスされた癒やしのスポットです。
個性的な商店が連なる、緑に囲まれた学生街。
春は夫婦桜の開花が楽しみ
福岡大学のおひざ元にのどかな住宅街が広がる
福岡大学の学生街で、住宅地でもある七隈エリア。地下鉄七隈駅から一歩出れば、学生ご用達の書店や居酒屋、佐世保バーガーの店などが目に入ります。なかでも六年前にオープンした「カフェ・リエート」は気軽に入れる街角のカフェ。ランチの種類も多く、自家製ケーキなどのスイーツも好評。
●カフェ・リエート
電話番号092-864-8448
福岡市城南区七隈4-8-19
店名の「リエート」は「陽気な」という意味。
ランチはドリンク付きで780円とリーズナブル。
駅から北に歩くと、花みずき通り商店会。鶏めしが自慢の「おむすび屋」や青果店、スーパーなどが軒を連ねています。「五、六年前に店の前の道路と歩道が広くなって、町がきれいになりました」と「茶道具ごとう」店主の後藤邦信さん(70)。店内には趣のある茶道具がずらりと並べられています。
隣の「やまや七隈店」に入ると、その一角はおしゃれなフラワーショップ。明太子チェーン店と花屋を合体させた店を営むのは、店主の樋口清子さん(70)とフラワーデザイナーの長女・紫乃さん(37)。
●やまや七隈店
電話番号092-862-3551
福岡市城南区松山2-16-4
贈答用の辛子明太子は1050円から。
2階ではフラワーアレンジメントの教室が開かれています。
駅から東側に歩くと、城南市民センターの横にあるのは西の堤池。周囲約七百 の遊歩道があり、夕方にはたくさんの人たちがウオーキングを楽しんでいます。その南側は片江市民緑地。寄り添うように並ぶ二本の八重桜は、夫婦桜(めおとざくら)と呼ばれています。土地の所有者のご両親が愛したという桜の樹齢は百年以上。毎年春になると美しい花を咲かせ、地域の人たちの心を和ませています。
●片江市民緑地
福岡市城南区片江5
満開の夫婦桜の下で、
4月18日(土)午前11時から花見会を開催。
沖縄の三線(さんしん)の演奏などが行われます。
桜の写真は2007年4月撮影のもの。
商店が身近にあり、交通の便も良く、七隈エリアは暮らしやすいところ。山が近くにあり、空気もきれいなのも魅力です。私たちの所属する片江市民緑地グリーンメイトの会では、地下鉄の駅そばや城南市民センター入口の花壇の手入れなどをボランティアで行っています。
昨年は、樹木医の白石眞一先生と一緒に夫婦桜の根の周辺に深さ50cm程の穴を600個掘り、肥料を入れたので、今年はいつもの年より見事な花が咲くだろうと楽しみにしています。
角銅 久美子さん(73)/左
後藤 てる子さん(68)/右
〔特集〕姪浜 meinohama area ~ 地下鉄空港線・JR筑肥線 ~この記事をプリントする
海と山に挟まれた早良平野と糸島半島に拡がる福岡都市圏西エリアは
田園風景の中に人のぬくもりが感じられ、歴史と伝統がほどよくミックスされた癒やしのスポットです。
海の幸の恵み豊かな浜町。
唐津街道の宿場町の面影が今も残る風情あるエリア。
街道の宿場町姪浜
昔ながらの町屋が残る
今では近代的なマンションが立ち並ぶ姪浜。もともとは、江戸時代から唐津街道の宿場町として栄えたところ。今も昔ながらの町屋が残り、往時をしのばせます。
中でも目を引くのは、白壁の「パンの店窯蔵」の建物。「江戸時代の建物で、国の登録有形文化財に指定され、福岡市の都市景観賞も受賞しています」と店主の白水勝幸さん(36)。国産小麦や天然酵母を使ったパンを販売し、中でもクッキー生地にみそを練り込んだ「みそメロンパン」(百六十八円)が自慢です。「老舗が残っているのが姪浜のいいところ」と白水さんは語ります。
●パンの店 窯蔵
電話番号092-883-6333
福岡市西区姪の浜3-3-27
大正8(1919)年創業の「マイヅル味噌」に隣接。
「キャラメルクリーム」(179円)など、約30種のパンが並びます。
「魚嘉かまぼこ店」は明治三十八年(一九〇五)の創業で、縁起物の「春冠」(二千円から)などを販売。「漁港が近いため、昔は店の前の道は魚町通りと呼ばれ、魚屋やかまぼこ屋が近くにたくさんあったんですよ」と店主の松尾達哉さん(46)。
同じ並びの「おしゃれのゆきや」は中高年女性向けの衣料品店で、Lサイズの品ぞろえも豊富です。
●魚嘉 かまぼこ店
電話番号092-881-0102
福岡市西区姪の浜3-5-10
鶏の軟骨入りでピリ辛の「なんこつ天」(1袋300円)など、手仕事ならではの食感と味が人気です。
ここから北へ歩くと姪浜漁港。「福岡市漁業協同組合 姪浜支所」横の船着場では、毎週日曜の午前五時半から名物の朝市が開かれており、捕れたての魚が買えると好評です。五月からは、支所そばの「漁師直売の店・あこめ」で、原則月曜から土曜の午前十時から活魚などを販売する予定です。
●姪浜漁港の船
福岡市漁業協同組合 姪浜支所
電話番号092-881-0025
福岡市西区愛宕浜4-49-1
小戸や愛宕山に炭鉱があり、この界隈は買い物のお客さんで大変にぎわっていました。毎朝八時ごろ鮮魚店に魚がトラックで着くと、人がいっぱい集まっていたんですよ。姪浜住吉神社前の交差点周辺が一番の繁華街で、国道202号線沿いには映画館が数軒ありましたね。昭和40年代から次第に活気がなくなっていったんです。しかし、唐津街道の風情が残り、歴史ある寺社や探題跡など見どころも多く、散策を楽しむのに魅力的な場所ですよ。
おしゃれのゆきや店主
姪浜商店会会長 近藤 昭男さん(79)
〔特集〕前原 maebaru area ~ 古きよき時代を受け継ぐ地元パワーあふれる街 ~この記事をプリントする
歴史ある建物など昔ながらの風景が残る 人情味あふれる商店街
前原宿の中心地 懐かしの品々を巡る
江戸時代、唐津街道の宿場町として栄えた前原宿。今でも、前原名店街として商店が軒を連ねています。「商店街としての全盛は昭和二十八年から五十八年ごろ。本屋、着物屋、食堂、甘酒用の麹屋など約六十の店が軒を連ね、まさに糸島の中心地。十二月一日から五日の大安売市には、人が行き来できないほどにぎわっていました」と話すのは、光文堂楽器代表の白水典樹さん(61)。
現在でも約四十軒の商店が営業しています。歴史を生かした商店街活性化の取り組みも始まりました。商家・綿屋の建物を修復した「前原古材の森」は、カフェやギャラリースペースとして生まれ変わり、古民家に興味のある人々が遠方からも訪れています。
●前原古材の森
電話番号092-321-4717
前原市前原中央3-18-15
地元の食材を使ったランチも人気。
日替わりランチセット1100円、ケーキセット700円。
庭を眺めながらゆっくりできる。
昭和九年移転当時からの辰美陶器店も必見。「戦時中は海軍などに部屋を貸していて、私たちは店で寝起きしていたんですよ」と店主の波多江辰典さん(75)。
店内には創業時に作られたという磁器の看板もある。
「若い時はとにかくよく働いた」と店主の波多江さん
●辰美陶器店
電話番号092-322-2105
前原市前原中央3-6-43
無料の寄り合い処には宿場町時代の写真や資料が展示してあり、十一月から三月までの週末は、かつて末松菓子店が使っていた機材を譲り受け、栗まんじゅうを販売していました。二十一年ぶりの復活とあって、思い出深いと買い求める人が多かったようです。
買い物客とのやりとりもどこか懐かしい前原名店街。ぶらりと散策してみてはいかがでしょう。
●寄り合い処
前原市前原中央3-6-46
10年ほど前にクスリの天野屋さん隣につくられた無料休憩所。
飲み物や食べ物を持ち込んで一休みできる。
商店街の仲間も買い物をしてくださるお客様も、みんな昔からの顔なじみばかり。買い物に来たおじいさん、おばあさんを送って一緒に帰るような、人情味あふれる商店街です。
来年1月1日には、前原市、志摩町、二丈町が糸島市に統合合併する予定。これからは九大生や若い人たちを巻き込んで、昔の活気あふれる商店街をよみがえらせるために、力を合わせて取り組んでいきたいと思っています。
前原名店街会長
光文堂楽器代表 白水 典樹さん(61)
〔特集〕西新 nishijin area ~ 古きよき時代を受け継ぐ地元パワーあふれる街 ~この記事をプリントする
リヤカー部隊が並ぶ商店街、学校も多く、
活気あふれる福岡市の西の副都心
昔と現在が入り混じる
水神様とホークスが見守る町
新鮮な魚介や野菜を売るリヤカー部隊が並ぶ西新の商店街。このエリアは学生街でもあり、商店街には食品店や衣料品店のほか、量の多さと価格の安さが自慢の定食店が点在しています。
スイーツの店も多く、中でも「博多パイ倶楽部」が人気。注文を受けてから、筒状のパイにクリームを詰める「バトンパイ」が看板商品です。「フレッシュバターを百%使うことで、生地をサクサクに仕上げています」とオーナーの松下明大さん(33)。
●博多パイ倶楽部
電話番号092-833-6272
福岡市早良区西新
5-4-17
「バトンパイ」はバニラ(125円)や抹茶(135円)などがあり、ケーキや焼き菓子も多彩にそろっています。
長年、地元住民に愛されているのは、創業五十五年の豆専門店「上野商店」。今も量り売りで販売しています。「豆の料理法や栄養など、お客さまにお教えしています」と店主の二女の日高和子さん(60)。対面販売ならではの良さが伺えます。
●上野商店
電話番号092-821-2625
福岡市早良区西新
5-2-40
西新の商店街のほぼ中央にあるのは、ホークスの必勝を祈願する「勝鷹水神」。「昔の井戸の跡で、神社名は高取の紅葉八幡宮の宮司さんが付けたんですよ」と西新商店街連合会会長の鳥巣勲さん(57)。商店街ではこの水神様を中心に、十月の「勝鷹夢まつり」をはじめ楽しいイベントを開催。十二月の第三日曜には印象に残ったホークスの選手を招いてMIP賞を贈り、商店街を人力車でパレードしています。
●勝鷹水神
福岡市早良区西新4-9-9
「鷹」と書かれた額がかかる赤い鳥居や、野球ボールが奉納された祠(ほこら)があります。
西新は交通の便が良く、商売にも生活をするのにも人気のエリア。
学校が多いため環境が良いのも魅力。そのため地価が高く、商店街では店を閉じて土地を売る人が増え、木造の建物がビルやマンションに建て変わり、1階が駐車場になっているところが少なくないんです。昔ながらの商店街のアットホームな雰囲気は残して行きたいですね。西新の商店街では高取や藤崎の商店街と一丸となってイベントを行うなど、商店街や町の活性化に努めています。
中西商店街役員
西新 初喜店主 川崎慎吾さん(33)
