得意のモノマネを仕事に生かし出張紙芝居で園児に笑顔を
1980年代のモノマネブームのころに、アニメ声優のモノマネで一躍有名に。現在はサザンオールスターズのトリビュートバンドのボーカルとして活躍する河村和範さん。本業は家具販売会社の社長で、昨年から幼稚園への出張紙芝居を始めています。趣味と仕事を両立して新たな活動を始めた河村さんが、人生を楽しむことの大切さを語ってくれました。
●モノマネからバンド活動まで
子ども時代から人を楽しませるのが好きだったのでしょう。「マンガ家になりたい」「声優になりたい」。いろんな夢に寄り道しつつ、目覚めていったモノマネの世界。大学生のとき、友達が応募したのを機にテレビに出演するようになり、社会人になってからも休日は芸人として活動。「賞品でサイパン、ハワイ、オーストラリアに行った」という強者です。
1990年、親友の結婚式2次会の余興として、楽器をひける知人縁者を集めてサザンオールスターズのトリビュートバンド「KAWAMURA BAND」を結成。モノマネあり歌ありのステージが話題を呼び、今ではプロのミュージシャンも含めた12人編成のバンドに成長。地域の催事での演奏や福祉施設の慰問などを続けてきました。
●趣味と仕事の垣根を越えて見えたもの
「バンド活動は趣味。むしろ意識的に仕事と分けて考えていた」という河村さん。しかし、その考えを変えるような出来事が昨年、起こりました。
未曾有といわれる不景気に消費が冷え切り、どんな手段を講じても結果が出ずに、経営者としてストレスを抱えていました。そんなときに「KAWAMURA BAND」としてハウステンボスのイベントに参加。熱狂のパフォーマンスに、最初は100人ほどだった聴衆が最後には1500人にまで増え、大いに盛り上がったのです。
「真面目に取り組む仕事に結果が出ず、自分が楽しんでやることに皆は共感してくれる。そんな矛盾を体験して、人の心を引きつけるものは何かを改めて考えました」
●園児に「紙芝居の社長さん」と慕われて
そんなことを考えていたときに「バザーなどの催事での演目に困っている」という幼稚園の悩みを耳にします。園児が喜ぶもので、自分も楽しめること…と考えて思いついたのが紙芝居。
ストーリーは絵本などを参考に考えて、絵はかつてマンガ家志望の腕前を披露。かくしてパフォーマー・河村さんと、カワムラ家具社員3人で「かわむら劇団」が結成されました。カワムラ家具の案内ハガキを配付させてもらう条件で、幼稚園で出張紙芝居を始めます。アニメの人気キャラクターのモノマネを駆使しての紙芝居が、園児に受けないはずがありません。
活動を続けるうちに、意外なことも…。
「紙芝居を見た園児たちが学習机を見に家族と来店され、“紙芝居の社長さんはいますか”と会いに来てくれるんです」
初めての経験に、うれしそうに目を細めます。
「不景気だ不景気だと言い過ぎて、楽しむ余裕を忘れていたのかもしれません。幼稚園での紙芝居を始めて、人が喜ぶと自分もうれしいという原点を思い出しました」
来年は「KAWAMURA BAND」20周年、そしてカワムラ家具は100周年。その節目の前年に原点に戻れた試み。子どもの笑顔を一番の楽しみに、河村さんの出張紙芝居は続きます。
出張紙芝居は15分程度のアトラクションで、道具類は劇団が持参。無料で随時受け付け中です。
PROFILE
河村和範(かずのり) 1963年福岡市生まれ。フジテレビ「紅白そっくり大賞」、テレビ東京「全日本そっくり大賞」、日本テレビ「ものまねバトル」などに出演、数々のグランプリを受賞。現在はサザンオールスターズのトリビュートバンド「KAWAMURA BAND」のボーカルとして九州を中心に活動。株式会社河村家具代表取締役でもある。
※ トリビュートバンドとは…先人の活動に尊敬の念を示しつつ、カバー曲などを独自のアレンジで演奏するバンドのこと
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