棚田を守るため、都市住民が農作業。

活動の参加者は増え続けています。

高齢化が進み、後継者不足の農家。なかでも、農作業に手のかかる棚田は荒廃が進んでいます。そこでスタートしたのが、都市の住民たちが棚田をサポートする「井原山田縁プロジェクト」です。

●高齢化した棚田 農家を助けたい

のどかな田園風景が広がる前原市の井原山のふもと。この地区の棚田を守るお手伝いを都市の住民たちにしてもらい、収穫した米や大豆などで還元するという、支え合いの仕組みを目指して「井原山田縁プロジェクト」は、二〇〇四年に始まりました。

川口 進

PROFILE 川口 進 1958年、北九州市生まれ。1983年、福岡県の農業改良普及員になり、減農薬稲作や合鴨(アイガモ)農法などの普及に努める。宗像を中心に地産地消の推進などにも取り組む。2004年、井原山田縁プロジェクトを始める。http://denenpj.at.webry.info/ 

 

この活動に取り組んでいるのが、川口進さんをはじめとするスタッフ四人。

「私が福岡県の農業改良普及員として最初に赴任したのがこの地で、減農薬稲作研究会の皆さんにお世話になりました。転勤を重ね二十年ぶりにお会いすると、皆さんは七十歳を過ぎ、後継者がいないと頭を抱えていたんです」。そこで川口さんと農家の皆さんが解決法の一つとして考えたのが、棚田など手のかかるところは外部の人の手を借りて、人海戦術で農作業を行うこと。その具体策が田縁プロジェクトでした。

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●初心者でもできる週末農業のススメ

プロジェクトでは毎年春に「米作りサポーター」と呼ばれる会員を公募。年会費は一家族六千円で、米作り期間中、最低一回は農作業に参加することを条件に、収穫した無農薬・有機栽培の「田縁米」五がもらえます。また、参加すると「ギットン券」という地域通貨がもらえて、地元ハーブレストランで使えることも魅力のひとつ。

「条件を厳しくして何回も来てもらうより、自然のなかで農作業することを楽しみに来てもらう方が長続きする」と川口さん。毎回の農作業については、農業初心者でも安心して田んぼに入ることができるようにスタッフが指導します。

●みそ作りやもち つきなども楽しみ

子どもと大人が楽しめるイベントも盛りだくさんに用意しました。六月には梅ちぎり、七月には虫見会、十一月には手作りおにぎりで祝う収穫祭、十二月には自分たちで作った大豆を使う「手前みそ作り」、田縁もち米をつくもちつき大会などが行われています。

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スタート時には、サポートする棚田は四十で会員は四十家族でしたが、四年目の昨年は同約一・五になり、会員も百二十家族と着実に増えています。井原山の自然に包まれ、農作業に汗を流す喜びにはまる人も多く、会員の約七割がリピーター。昨年は三十五回参加した会員もいました。

●会員を千家族に 増やすのが夢

順調に見えるプロジェクトですが、悩みもあります。現在は「草取り時の人員の確保」が緊急課題。田植えや稲刈りなど大きなイベントに参加する人は多いのですが、草取りへの参加者が少ないそうです。「一番手がかかるのが草取りなんです。これをきちんとしないと、雑草の種がよその田んぼに流れてしまい、地元農家の方たちに迷惑をかけてしまいます」。今年はさらなる人員確保を目指しています。

とはいえ、除草剤を使わない田んぼのおかげでホタルが増え、見物に訪れる人も多くなったとか。

地主さんから感謝されたとき、自然の中でイキイキと遊ぶ子どもたちを見るときにやりがいを感じるという川口さん。会員を千家族にしてサポートする棚田をもっともっと増やすことが川口さんの夢です。

井原山田縁プロジェクトの申し込み(5月末まで)
郵送:〒819-1137
前原市南風台6-15-11(川口さん)
メール:kabochacha@iwa.bbiq.jp
までご連絡ください。

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